梅雨の晴れ間に 秋山川 2008・6・19 @山梨県・秋山川
釣法: フライフィッシング
 

 
●岩手・宮城内陸地震…被害に遭われた方々へのお見舞い申し上げます
栗駒は行ったことがなかったので
いずれイワナを釣りにいってやろうと思っていたのですが…
 いやぁびっくらこきました。
 そろそろ仙台基点に渓流釣りにいきたいなぁ、東北はそろそろ渓流釣り・イワナ釣りには最高の季節なんだよなぁ、と考えていたら栗駒高原あたりででっかい地震が…以外だったのは旧古川市あたりは「そんなでもなかった」そうですが取引させてもらっている よろずや齋藤商店さん 主催の“アングラーズ・クラフト展”が山ひとつ南側・こけしの鳴子温泉の上の鬼首で開催されていて…パーツ頼んだけど、商売できるのか?と心配しましたが何事もなかったそうで。ついでに 中野釣具店 は「震度5くらいだった」という事でひと安心。しかし私と同じ事を考えて渓流に入った人は多かったはず、と思っていたら案の定「釣りに行ったまま帰ってこない」「山菜取りに行ったまま帰ってこない」という人がここに来て報告されて…皆様の無事なご帰還を切に願います。
 私の東北への執着心が地震を起こした、のであれば竿なんか作ってないでこの芸で世界を回ろうと思いつつ今回の釣行も前回に引き続き秋山川…どうしてもサカナを掛けたいという〝執着心〟だけで出発です。
 


●結構計算高い予定
4:18 撮影…もうこんなに明るくて
朝イチの釣行はとてもしんどい季節です
 前回の釣行は直前に入梅してくれたわ朝まで雨が残るわ増水して本流釣行かと思うほど増水しているわボウズだわで〝ドイヒーな〟釣行だった。そこで今回は週間天気予報とにらめっこして「どうやら19日まで1週間雨は降らない」と確認、そこで19日に再度釣行を決定。そして14日の岩手・宮城県内陸地震の余波で荒れる東北のフィールドは諦め「もうちょっと秋山川を掘り下げてみようか」という事で再度秋山川釣行を決行することに決定。さらに気温・水温を観測しながら「まだまだメイフライでいける」という事で1日10本ペースでフライを巻く。前回と違って結構計算高く準備してきました。
 と計算高いのはここまで。地震のあった14日はオーダーした EMUS 9'00" #8 3pcs. 1top が納品され、釣行直前までにフェルール・ブリップ部分の加工を終わらせ柿渋の下地を施す作業を終わられねばならない。結構逼迫している上に週末の週間予報では19日には“傘”マークがつきやがった。1日早めるか予定通りに決行するか…直感に従って予定通り19日に行く事に決定。ちょっとした賭けでしたがこの判断が吉と出るか凶と出るか…
 
 少しは減水しているといいなぁ、前回みたいにジャミヤマメだらけじゃなければいいんだけどなぁ…と思いながら前回この上ない手応えを感じた ICANKOT 7'00" #2/3 を持って3:00自宅を出発。高いとひと言で片付けるのは軽すぎると感じるほどの値段のガソリンを途中で入れて国道16号線を北上、いつもの通り途中コンビニで買出しを済ませて上野原経由で旧秋山村に。
 到着したのは4:57。何でこんなに早いのかって?バスやソルトの習慣が残っているという個人的な理由のありますが、考えてみてください、ヤマメって何を食っているかを。「決まってンじゃん、水生昆虫だよ」と答えたあなた、大正解。ではヤマメが最も水生昆虫を捕食するタイミングって?「分かりきった事聞くなよじれってえな、ハッチに決まってンじゃん」と答えたあなた、大正解。ではハッチってどんなタイミングで起こるか知ってます?コレ、意外と知らない人多いんですよね。
 ミッジの季節のイメージから「日が出たらハッチ・タイム」と思っている人も少なくないようですが、どんな理由にせよ水温が10~14℃前後が最もハッチをしてくれるのです。この時期は晴れればすぐに水温は上昇しますからね。
4:57 旧秋山村に到着
もうこんなに明るいと、なんか感覚がズレる
 


 
●入渓点
 今回も前回同様尾崎地区の放流用車輌進入路付近から。
 この入渓店は1m未満の堰堤のすぐ上に出るので堰堤より下流がとっても気になる所です。そこでここの空き地にクルマを停めさせてもらって(近所の爺様がいたので確認を取る)県道をテクテク川沿いに歩いて下流のもうひとつの入渓点から入渓する事に。この空き地の駐車スペースは割とお気に入りで、入渓が楽である事と近くに自販機がある事、それに目の前の家が一応入漁券を取り扱っているようで…もっとも朝5時から「入漁券下さい」と言っても結構迷惑だろうなぁ、という事で予定通り釣り上がりの途中で前回入漁券を購入した尾崎中旅館で購入する事に。当然監視員がいれば現場買いという事になります。
 準備を済ませ県道を下っていくと途中の鉄工場で機械を動かしている音が…まだ5時というのにもう仕事を始めている。こんな朝早くから働いている人がいるというのにいいご身分だね、と言われて久しいですが私にとっちゃあコレも仕事のうち。そうやって考えると、エライ働きモンだね、私ぁ♪等と明らかにまだ寝ぼけている頭を引きずりながら川を眺める。
前回入渓した放流用車輌進入路
堰堤の真上に降りる事が出来ます
 
向こうのカーブの所にあるスロープが
もうひとつの入渓点
 いやぁ、岸が広いッスねぇ…コレが平常水位なんですね。前回と違って明らかに歩きやすそうです。
 と期待を持ちながら 5:15 少し下流に下りたもうひとつの入渓点から入渓。すぐ目の前の樹木がオーバーハングした淵から釣り上がることに。いつものソラックス・ダンを巻いて手前から奥へと流していく。いやぁ、前回と違って流れが緩くて、釣りやすいッスねぇ。面白い事に5投目に早くもアタックが…しかし前回同様ジャミヤマメだったようで強烈なライズとともにティペットを傷付けてくれた。
 やはり最初が最初だっただけにちょっとでも条件が良くなるとかなり楽勝ムードが漂います。なにしろキャストを少々失敗してもそれなりに何とかなってしまう。増水して水の流れが早いとあっという間に流されてしまいますからね。それはサカナにとっても有利なようで、前回とは比べ物にならないくらいのアタックが…ほんの20歩ほど釣り上がった時点で早速ティペット疲労でフライをロスト。
 目の前に中小様々なメイフライがハッチしている。これは前回以上にゆっくりとした釣り上がりになりそうです。
 


 
●なんかモヤモヤな地雷
前回は太い重たい流れでしたが
これが普段の流れなのでしょう
 それにしても今回のアタックは前回とちょっと違う。
 なにしろ前回はジャミヤマメ特有の“バキューン!”という強烈なもので、個体によっては“バチン!”という音を(大袈裟ではなく本当に)立てるものだった。しかし今回の地雷はやたら“ヌタッ”としたものが目に付く。イワナの出方は“”カパン♪というものがほとんどなのでひょっとしたら…ですが今の時点では何とも言えません。なにしろあと3日で秋山川のアユ解禁ですから。
 釣り上がっていくと見えてくる。今日は流芯近くのほうが反応が良い。そこで#17のサイズを#15に変えて視認性を高める。すると時折バキューンという地雷が炸裂するがほとんどはモヤモヤな地雷が…いよいよもってこれはひょっとしたらひょっとする。
 左手に山村と畑を見ながら釣り上がっていくが、モヤモヤは解消されるどころか増えていくばかり。加えて時折バキューンという地雷が炸裂するものだからティペットが…辛抱溜まらん、とここでやたら柔らかい MAXIMA のリーダー&ティペットからグラファイト・ロッドで使い慣れた FUJINO のリーダー&ティペットに交換。
 
 以前は FUJINO も7.6ftリーダーを販売していたのですが気がつけばカタログ落ち、一番短いリーダーでも9ftという事で長さ優先で MAXIMA を使用していたのですがハッキリ言って耐摩耗性が…ルアー・ラインで言えばサンヨーナイロン・スーパーGT-Rと東レ銀鱗を比べるような大差がある。そこで「9ft+ティペットでもいけそうだぞ」と実験的に付けてみた。
 さすがにリーダーが長くなったから要領は少々違ってきます。違いをひとつひとつ確認しながら流すとジャミヤマメの地雷を踏んでもそう安々とは傷つかなくなった。それに思った通り9ftでもいけた。返す返すもオソロシク性能の良い竿を作ってしまったものだ。
 リーダが長くなって思いがけない現象が新たに発生…進行方向や対岸の蜘蛛の巣に引っかかってしまうようになった。今までは7.6ftだったから蜘蛛の巣に引っかかる事はまずなかったが、リーダーが長くなってターンの半径が広くなり引っかかってしまうのです。
 ということは…先行者は誰もいない、という事も同時に意味していますね。
入渓店から遡上するとそこかしこに蜘蛛の糸が…
分かり辛さ50%増しの写真
 
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 それにしてもこのモヤモヤなアタックは…その数たるや半端でなく、最初のうちは楽しんでいたもののいい加減ウンザリしてきた。計算通りコカゲロウを中心に中小のメイフライがハッチしているおかげで流せば素直に反応してくれている、けどヌタッっと出るこの感覚は…なんかヤな感じです。一番ヤな感じなのはフライの消耗…例えばこの時期の菅野川は両岸のボサに引っかかるという原因もあるのですが何よりジャミヤマメの地雷でティペットが傷ついてガンガンロストしてガンガン交換したのですが今日は驚くほど交換が少ない。結構じゃないの♪と思ったアナタ、甘いです。選挙を意識し出してようやく国民に媚を売り始めた福田首相の魂胆並に、甘いです。なーんかモヤモヤ…
 そしてようやく前回の入渓点真下の堰堤のすぐ下流、少し開けた深瀬でバキューン!ヌタッと2連続で連発したアタックにアワせることが出来た。手元にズン!と伝わったと同時にロッドがキモチイイほどキレイに弧を描く。おお!これは!!2年ぶりのマトモなサカナの引き♪…ん?ドリル・ロールしないね、首も振らないね…あれ?手応えが…なんだ?今田耕司みたいな顔したサカナがこっちを向いている。
見るからに“出そう”なポイントには
モヤモヤなアタックが…
 
普段ならがっかりするだけのウグイ(アブラハヤ)ですが
よく曲がるロッドのおかげで楽しさ20%増し
 それでもせっかく掛かってくれたサカナだ、と丁寧にネットに収めると…やっぱりウグイ(アブラハヤ)でした。2年ぶりの釣果がウグイというのもなかなか情けないものがありますが、こちとらロッド・テストなわけで「アブラハヤが掛かっても〝ズンッ!〟と手元に来るようなロッド」である事を確認したかったわけですから今田耕司みたいな顔のアブラハヤでも歓迎なんです。
 やはり狙い通り手元に〝ズンッ!〟と来た。が、さすが“ギュのひと伸し”、ものすごく余裕で引き寄せてくれます。もうちょっと柔らかくてもいいのかなぁ、それならもっとストロー・ブランクにしてもいいのかなぁ…またひとつ課題を見つけてしまった。
 ブログでも1回触れましたが、バットのグリップ付け根から15㎝の位置に飾り巻きをつけている(プロトタイプなので無着色)ので写真撮影をしても大体何cmか一目瞭然ですね。尚15㎝に決めた基準は神奈川県の内水面規定により“15㎝以下のイワナ・ヤマメは放流”と決まっているから。全国基準もおおむね15㎝、という事でロッドを当てればキープかリリースかが一目瞭然、というわけ。まさに実釣派のための飾りですね。
 


 
●堰堤の上はジャミヤマメの地雷が…
 堰堤というと誰もが燃えますね。萌えじゃなくて燃え。個人的にはどうもあの「萌え」という言葉が受け入れられない。嫌いじゃないんです。大嫌いなんです。なーんか2次元の異性しか知らない連中が決まって口走っている言葉で、なんか気持ちワリイ。
 そんな「酒も飲まず博打も打たず女も抱かずに100まで生きたバカがいる」という都々逸を地で行っている連中の話はともかく、堰堤が目の前に広がると妙に燃えるのはひとえに分かりやすいポイントだから。特にこの秋山川にはこれでもかとばかりに堰堤があり「この堰堤からこの堰堤まで」と釣り上がりのスケジュールがとっても立てやすい。それは結構なんですが首都圏近郊の釣り場の不文律が「大場所はすぐに叩かれてサカナは出てこない」という大原則、たいていは出ないじゃん、と失望するのがオチだったりします。
 しかーし、今回は蜘蛛の巣が行く手を阻むほど。つまり先行者はいないという証拠です。そこで流してみると…バッチリ見えました♪ゆらっと浮き上がってフライにアタックしてくるアブラハヤの姿が…
川にはそこかしこにこの程度の堰堤があります
ヤマメやイワナはここを飛び越しているようです
 
なかなか趣のある渓、といった感じで
個人的には好きな雰囲気

 堰堤をよじ登るとそこは前回入渓した放流ポイントだった。
 面白い事にこの堰堤から上流でフライを流すとバキューンというアタックばかりで、誰がどう見てもモヤモヤじゃない。どうやらイワナやヤマメと違って放流されたウグイはこの堰堤を遡上する泳力は無いようで、さすがサケ科とコイ科の違いはこんな所に現れる、と妙に納得。この堰堤より下と比べたら明らかに地雷原は少ないですが出れば必ず強烈なジャミヤマメ…そろそろ良い型が出てこないモンかねぇ。
 前回より水量が落ち着いている分歩きやすいのは結構ですが、そこかしこがポイントだらけ。水温を計ってみると15.5℃。朝イチで計った時は14℃だったから曇りとはいえもう少しでハッチの適水温を上回りそう。今日はムシムシしていて涼しいはずの川にいるのに妙に暑いし曇りと言っても薄曇、これは昼前にはハッチが治まってしまいそうな気配濃厚。これは計算外。
 前回も触れた通り尾崎地区は森を抜ける箇所がいくつかあるので雰囲気はとってもよろしい。これで良型が出れば言う事なしなのですが…出ねえんでやんの。

 

アウトドア&フィッシング ナチュラム

 
●ついにハッチが納まって
 今回尾崎地区に入渓したのはひとつ目的があったから。それは前回願を掛けた小さな社にお礼参りをするため。困った時の神頼みとは良く言ったものですが、皆さん願を掛けておいて念願が叶ってお礼を言いに行ってます?これが驚くほど行ってない人が多すぎる。人によっちゃあ「お礼参り」と聞いて「そんな物騒な…」と抜かす奴もいますが、これは元々「神社に願を掛けて念願成就したら〝ありがとうございました〟とお礼を言いに行く事で、気にいらねえ先公なんかをどつき回すのはこれをもじった喩えなんだよ」なんですが。全ての行動には結果が伴うものなんです。
 高度経済成長期以来こんな当たり前な事をどうも蔑ろにして実行しない奴が多すぎる、だから人の心が荒むんだ、と長屋のご隠居さんみたいな話はさておき、釣りを中断して前回入漁券を購入した尾崎中旅館に行って入漁券を購入し、山の斜面に建てられた社にお礼参り。しかしこれも全て予定調和、計算通りの展開でお礼参りを済ませるとちゃっかり休憩を取ることに。
前回無事を祈願した神社にお礼参り
山神様を奉っていると思ったのですが勘違いだった
 
実はここの底は全部一枚岩
壮観です

 前回はまるで余裕がなかったので気がつきませんでしたが鳥居に記された記述を読むと“近任神社”とある。ん?山神様じゃないね、こりゃ現人神を祭ったもんだね?これは…余り関り合いにならないほうがいいかもしれない。
 いや別に関わっても良いんだろうけど、神格化した人間が相手だと何か願を掛けると見返りを求めやがるからなぁ。何故ならこの神は元が人間だから。だから日本武尊とか天照大神とか人間が神格化した神に願を掛けると結構メンドクセエ事になりかねない、願を掛けた内容と同等の見返りを求められてこいつを破ると天罰が下るからなぁ…これを「触らぬ神に祟りナシ」と言う。
 まるでどこかのヤクザの親分さんじゃないの、神様が見返るを求めるなんて随分俗物的じゃないの、と悪い事さえしなければ全ての者に恩恵を与える懐の深~い自然崇拝の神を信じる私はそんな事をうっすらと考えながら再び川に下りて釣りを再開。
 この時点で時計は10:00を回った。水温を計ると17℃を指した。うーん…長屋のご隠居さんになっている間に随分不利な状況になったもんだ。そろそろタイムアップかも。

 
川幅の広い菅野川といった趣
イワナが潜んでいそうなんですが…
 案の定さっきまでそこかしこで飛んでいたコカゲロウの姿すら見えなくなり、“ここはいるだろう”と思われるようなポイントでもウンともスンとも言わなくなった。ここで川を上がってしまってもいいのだがあとちょっとで前回入渓した尾崎橋に出ることができる。♪あいら~びゅ~♪と口ずさんだかどうかは定かではないが、とりあえず尾崎橋まで行ってみる事に。
 しかしこの状況はどう考えてもルアーのほうが断然有利だよなぁ、と思いつつ釣り上がるがさっきまでの好反応はまるでなくなる。初心者がこんな状況に陥ったら間違いなく「ここにはサカナはいない」と太鼓判を押してしばらく足を運ばなくなるでしょう。しかしハッチがなくなって一時的に活性が下がっただけなので手段を変えてリアクション狙いで攻めれば釣れない事もない。フライならウェットで攻めればいいんだろうけど、今更釣り下りに変更ってのは…だから URARYOUSHI Custom Shop では渓流用ルアー・ロッドを真面目に作ろうとしているんだけど、ちょっと色々あって…詳細は後日ブログで発表しますが、いやぁ色々困ったことがあるもんです。
 


 
●「頑張らない」釣り
 とさりげない宣伝はさておき、ウンともスンとも言わなくなったので11:40尾崎橋まで到着したのを理由に一旦川を上がります。
 6月といえば初夏です。実際今日は30℃近くまで気温は上がると言っている。この季節になると日中は竿を出しても苦戦するばかりです。そんな中で根性と気合で何とか釣り上げるのが釣り師と言うものだ!と大昔のスポコンアニメみたいな事を抜かす年寄りもいますが、今やスポーツだってバカじゃ到底務まらないデータと科学を最大限に利用する時代。釣りだって科学的に判断して竿を出す、フライ・フィッシングなんかその典型ですね。
 そこでこの時期はハッチを基準に日の出からハッチ適水温を上回るまで釣りをして、ハッチ適水温を上回る日中はブラブラして、再びハッチ適水温になる夕方に釣りを再開する、というのが最も科学的な釣り方ですね。
 困ってしまうのが「どこで暇を潰そうか」という事。そこで前回気になっていたんだけど脚を運ぶ事ができなかった“酒饅頭”のお店で名物・酒饅頭を買ってしまえ、と言う事。これもバッチリ予定調和。
饅頭屋に名物・酒饅頭を買いに行く
「王の入まんじゅう・つるや」さん
 
コレが名物「王の入饅頭」
黒い点の饅頭は味噌あん

 道志村やうらたんざわ渓流釣場がある青根地区なんかでも名物として売られている酒饅頭ですが、どうやらこれはこの地域一帯の名物なようで。面白い事に餡子がこれでもか!と入っている道志のものと違ってこちらは皮が厚い。これが中華まんの皮だったら「ドケチめ」ですが、酒饅頭だから皮に酒かすがたっぷり練りこんである。だからむしろ皮が厚いほうが旨いんです。ついでに言えばここの酒饅頭は味噌餡も売っているのが他と大きく違う点。1個¥150ってのも嬉しい。以上、ご当地グルメレポートでした。なんだかなぁby阿藤快。
 で時刻は12:00。イブニング・ライズはおそらく16:00を回ってから、と踏んで4時間をどう潰すかが最大の課題。なにせ朝3:00から活動しているので睡眠を取っておきたい。欲を言えばゴロンと横になれる場所があると嬉しいんだが…その辺もしっかり計算済みで、村の外れの支流沿いに日帰り温泉施設・秋山温泉新湯治場という施設がある。ここで風呂入って昼飯食ってビール飲んで横になれば気分爽快でイブニング・ライズに望める事は間違いない。休憩室は狭いと聞いているが最悪食堂の個室(1時間¥800)を借りてしまえばいいわけだし♪

 
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 という事で秋山川の支流・安寺沢川に向かうために一旦釣り道具を仕舞う事に。まさか盗む奴なんかいねえだろ、と思いながらも一般的にバンブー・ロッドは結構高価なもの、と知られている事実を考慮してロッドも一旦仕舞う事に。
 で、フェルール部分をふと見ると飾り巻きに一筋の線が…あれ?と思いつつ抜こうとしたがフェルールが固着している。あれま困ったね、と力を入れたら抜けました。フェルールが固着したままブランクが。しまった!これは思い切り計算外。そういえば尾崎橋に近い所で竿を振っているとフェルール部分がカタカタ言ってたのが気になっていたが…
 抜けてしまったブランク側を良く見てみると、写真の通り糊漆の付着がまばらで明らかに強度不足。ケチったつもりはなかったのだが、もっとたっぷり塗りこんでおけば良かった。と後悔してもあとも祭り。これは許されざる失敗だった。不幸中の幸いだったのがこのロッドが自分専用と言う事。これがお客様のロッドだったらエラい事です。たっぷり塗り込んでいたつもりでしたが、もっとたっぷり塗りこまなければ…それでもバット側のフェルールはビクともしていないので糊漆自体の強度に問題がないのは明白。不幸中の幸いです。
たっぷり塗り込んだはずなのですが…
フェルールが外れてしまいました
 
のどかな村の景色を背に
今回の釣行は強制終了
 普段なら予備の竿を持ってくるのですが今回に限って予備の竿を置いてきてしまった。つまりこの時点で強制終了。温泉もビールも昼寝もイブニング・ライズもお預けです。
 結局ボウズは免れたもののアブラハヤ1尾というモヤモヤな釣行で終わってしまったわけですが、竿の補修もしっかり済ませて今度はしっかり温泉とビールを堪能…じゃなくてヤマメを掛ける予定です。外道のアブラハヤでも〝ズンッ!〟と来るのが確認できただけも、今回は良しとしておきましょう。なにしろ管理釣場ではヤマメやイワナを掛ける事は出来てもアブラハヤを掛けることはできませんから、考え用によっては結構貴重な釣果だったかもしれない。
 というわけでいい加減ヤマメを釣りたくなってきましたが、14日に届いた ウェット・ロッド“EMUS”用ブランク(9ft00in #8 3pcs. 1top) の漆塗り作業が始まっているので今度はいつ釣りに行ける事やら…
 
 
 
Tackle

 URARYOUSHI Custom Shop 渾身の1本は トンキンケーン・ヘキサゴン・ブランク を総漆塗りで仕上げた張りを感じるのにしなやかな先調子気味(およそ7:3のファスト・アクション)のドライ・フライ・ロッド。リールはやっぱりクラシック・タイプかバーミンガムがいいなぁ、と思っているでしょ?実はその辺も URARYOUSHI Custom Shop で企画している事があるんです…

URARYOUSHI Custom Shop “ICANKOT”
    + LAMSON RADIUS R1.5
line: SA/3M “Match the Hatch” DT2
leade & tipet: FUJINO 6X 9ft

 ICANKOT とはアイヌ語で「ヤマメ・小魚」の意味。今回アブラハヤでもグンニャリ曲がって〝ズンッ!〟とくる事が証明されました。これは刺激的で、とても楽しい。
 リールとラインは代用品で、リールは現在“ある規格”を企てています。


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 見ての通り HARDY BROS. "PARFECT" のコピーです。それでも値段が定価で¥9.450-だから気兼ねなくガンガン使えます。メーカーではグラファイトでもグラスでもバンブーでもと薦めていますが個人的にはやはりバンブーで使って頂きたい。
 実はURARYOUSHI Custom Shop "ICANKOT" は HARDY BROS. "PARFECT" 装着を前提にデザインを考えました。
DT4F+30yds(20lb)、幅27mm直径69mm、115g、ラチェット式ドラグ。

 お求めはお近くの釣具店か、なければナチュラムで。

 フライはいつものソラックス・ダンです。(準備中)

⇒ ソラックス・ダン はこちらから
 
 
釣行後記

 曇りというと直接日光が照らさないので気温も水温も極端には上昇しない。そんな期待も込めての釣行だったのですが、今回は薄曇という結構厄介な状況に晒されて結局中途半端な釣行になってしまった。もっとも今回はフェルールが抜けたというトラブルで強制終了なので文句なく私のせい。噂に聞いているイブニングのスーパー・ハッチに出くわしたらどうなる事か。またひとつ“未完成”な要素を残した釣行となりました。
 個人的には、もちろんトラブルはゴメンですが、未完成であるほうが旅としては面白いと考えています。その理由は前回の釣行記で書いた通りですが、今回はそれに加えて課題も残った。

 何より「やる事」ができると俄然張り合いが出てきます。喩えそれが面倒臭い事でも厄介な事でも、です。なにしろこの世の中で一番勘弁してもらいたいのが「退屈」という奴で、どんなにメンドクセエような事でも退屈に比べたら全然マシ、というものです。
 しかし世の中には退屈が多すぎる。厄介な事や面倒に巻き込まれるのはゴメンだ、と厄介そうな事や面倒な事が目の前で起こるとスーッと逃げて〝要領よく生きる事〟が賢い人間の生き方だ。と信じて疑わない〝ことなかれ主義〟が〝賢い〟とされている。それも「当然でしょ」「常識だよ」とこれっぽっちも疑問を持たないから不思議でならない。何故なら私にとって最も避けて通りたいのが「退屈」であって、ことなかれ主義では退屈な人生しか見えないから。
 別段他人が面倒や厄介な事から逃げ回っているからと言って面倒や厄介な事を押し付けるつもりは毛頭ありません。しかしトラブルを上手く乗り越えた時の快感は下手なゲームよりスリルがある。釣りなんかしていても苦労してようやく釣った1尾のほうが入れ食いの時より快感が増しているでしょ?
 しかしトラブルから逃げ回っている奴にはそんな快感を想像する事すらできるわけがない。
 最近社会が荒れているなぁ、モラルがちに落ちたなぁ、なんて感じる事件が多いですが、実はことなかれ主義を妄信している日本人の価値観に一因があると思えてならない。社会の中に個人が存在するのではなく、個人が集まってひとつの社会を形成しているのだから。
 さて次回は…現在 URARYOUSHI Custom Shop では 本流用バンブー・ロッド“EMUS” とグラファイト・ルアー・ロッド “APYU” の作製に着手していきますのでしばらく釣行に行けそうにありません。が、どうしても ICANKOT でヤマメを掛けたいからどこかでスケジュールを調整して釣行に出掛けます。しばしお待ち下さい。

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all photographs are reserved by URARYOUSHI