PART.1 自然観察編




・ライズの種類を見極める

 バスにとって小魚は栄養価の高いご馳走≠ナす。
 基本的にバスはラージマウスとスモールマウスの2種類に分類されますが、ラージマウスはさらにノーザン∞フロリダ∞スポッテッド≠フ3種類に分かれます。フロリダバスは以前池原ダムの60UPで話題になったのでご存知の方も多いでしょう。フロリダバスの場合魚食性が強いと言われていますが、一般的に日本で釣れるバスはノーザンラージマウス≠フ純血もしくはフロリダとの雑種です。スポッテッドは日本にはいないとされていましたが、私は津久井湖で何本も揚げています。
 ノーザンラージマウス(以後バス≠ニ表記)は、魚食性はあるものの、基本的にはモエビやヨシノボリのような定着性の強い生物が常食のようです。それは日中ストラクチャーにタイトにつくことからもうかがい知ることができます。しかしバスは朝マズメや夕マズメの捕食時間(最近では時合≠ニ言う人が多い)になると小魚を積極的に狙います。日中もカエルや水面に落ちたヘビや昆虫(水生昆虫も含む)などを捕食しますが、そうそう落ちてくるものではないので常食とはいえないでしょう。

 釣りをしていてどうしても気になるのはバスのライズです。しかし意外に多いのがライズがあったのに喰ってこない≠ニいう事実です。ライズを目撃したので「ここにはバスがいない」という言い訳は通用しません。肝心な事はライズの種類を見極めているか≠ニいうことです。

 まずは今起きたライズがバスのものかどうか≠ニ言う見極めです。これは実に簡単に区別できます。バッシャーン≠ニ水面を叩いたようなライズだとしたら、それはほぼ100%コイかへらぶなのハネタタキ≠ナす。
 コイ科のサカナは特性として水面を飛び出すことが良くあります。なぜ飛ぶのかは今のところ解明されていませんが、コイ師やへら師は尾で水面を叩く事からハネタタキ≠ニ呼んでポイント選択の参考にしています。
 左の図を見て分かる通り尾で水面を叩いたあと失速して腹もしくは側面から水面に落ちるので、まるで大きな石や岩を叩き込んだようなバッシャーン∞ドッパーン≠ニ派手な音を出します。時々このハネタタキ≠バスのライズと思い込んで一生懸命ルアーを投げている人がいますが、見分けができればそんな失敗もなくなりますね。

 バスの場合捕食目的である事からまず大きな口から水面に出ます。従ってライズの時空気を吸い込むゴボッ∞ガボッ≠ニバケツで水を掻いたような音が最大の特徴に鳴ります。

 しかし「明らかにバスのライズだったのに釣れない」ということも少なくありません。それはなぜか。
 それは単にライズ=トップ≠ニいう実に安易な発想がもたらしているのです。「でも前はトップで釣れた」というのはその時たまたまトップで獲れるライズだったからに他なりません。ライズの中にはトップで獲れる<宴Cズとトップで獲れない<宴Cズがあるのです。
 ライズを良く観察していると余り姿を確認できないライズと魚体がしっかりと確認できるライズがあります。場合によってはまるでハネタタキやイルカの曲芸のように見事なジャンプを見せてくれます。この違いはバスが定位している位置がどこなのか≠ハッキリと教えてくれるものなのです。

 右上図のようにバスが元々浅い位置に定位していれば基本的に水面を割るか割らないかくらいのライズになります。もし身体を出すようなライズになっても背ビレが出る程度のものにしかなりません。
 右下図のように深いところに定位していると水面に向かうまでに全速力で泳ぐので、勢い余って水面に飛び出します。場合によってはそれこそイルカの曲芸かボラのジャンプのように全身を露にします。
 以上のことはバスに限らず魚食魚の共通したライズの特性だと考えると良いでしょう。魚食魚は捕食活動以外でライズする事はあり得ません。捕食のためなら全速力で獲物を追いかける(グズグズしていたら逃げられる)結果、てい居場所の違いによってこのような差≠ェ生じるのです。

 もしバスが身体を見せるようなライズがあったら出た角度やどこまで身体を出したかなどを注意深く観察する事が大切です。その角度などや地形などの判断から大体どのくらいに定位しているかが分かるはずです。定位している位置が分かれば選択するルアーやメソッドも自ずと決まってくるものです。
 トップで釣ろうと考えたら、やはり浅い場所に定位しているライズを選んで狙うのが基本です。もし派手なライズしかなかったらトップよりも水面直下を狙えるルアーの方が結果は早いです。残念ながら底を狙うルアーではバスは釣れません。というのも水面を割るほどバスは上を気にしているのですから下を攻めてもバスにはまるで見えません。
 基本的にサカナにとって水面を割るという行為は危険な事なので深場からのライズは捕食体制の整った∞やる気満々のバス≠ェいるというサイン程度の留めるのが良いでしょう。というのも水面直下で獲物がいればリスクを背負う水面の獲物などそっちのけで優先的に食いついてくるのです。

 以上のライズの見分け方はバスばかりでなく全ての魚食魚に共通した特徴です。これを見極める事ができるかできないかでチャンスを物にできる可能性は大きく違ってきます。
 

 バスを釣るために必要な自然観察を選別して基本的なことだけをまとめてきましたが、ここまでの事を知ればもうバスはかなり釣れるようになることでしょう。しかし、もうひとつの観察をすればもっとバスが釣れる、と言ったらどうでしょう。次の項では少し踏み込んだ話をしましょう。

 

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