PART.1 自然観察編




・流れが読めると釣果が変わる

 最近よくこんな事があるのです。
 相模湖で釣りをするときは必ず上流部・桂川エリアにある日相園でボートを借りるのですが、釣りを終えてみると難攻不落≠ニ言われているだけに6本やそこらで結構がっかりするんです。しかし皆さんたいていボウズで、釣れている人はごくわずか。釣れている人でも実は私の半分だったりしてなんだ、俺が竿頭?≠ニ急に天狗になってしまいます。
 特に面白いのは散々叩かれているへら杭のポイントがあるのですが、たいていの人は何度たたいてもボウズなのですが私がルアーを通すとアラ不思議、ルアーにバスが付いてくるんですね。先行者はその光景を見るとみんな首を傾げて考え込んでいますが、実はひとつの自然観察さえマトモにできればあとは予定調和みたいなところがあるんです。

 ヒントは、相模湖と言えば湖ですが桂川エリアと言えば川≠セということ。

そんなバスの中の1尾がこれ サイズはさほどでもないのですが驚くほどマッチョなんです
カジキやマグロは泳ぐ事で強制的に酸素を取り込んでいる川魚は上流に顔を向ける事で楽して酸素を取り込める

 動物には酸素が必要ですね。それは誰でも知っていることです。人間は肺で呼吸していますが、サカナはどこで呼吸しているでしょう。エラですね。エラ蓋の裏にある赤い器官がそれですね。
 では密閉した部屋に人間が閉じ込められるとどうなるでしょう。間違いなくいずれは酸欠で死んでしまいますね。しかし密閉した部屋に1箇所空気を送り込む送風機があったらどうでしょう。答えは簡単、とりあえず酸欠はなくなりますね。サカナもただ水を張った水槽に放置すると水中の酸素飽和度が低下し(サカナが消費してしまうため)死んでしまいますが、常に水を注ぐ・エアーポンプを入れるなどの処置でそこで生活できてしまいます。
 しかしマグロやカジキは生涯泳ぎ続けると言われています。それは他のサカナと比べて酸素の消費量が高く、泳ぐ事で強制的に酸素をエラに送り込んで補っているのです。マグロやカジキは特別な例だとしても、川にすむサカナは100%流れに向かって生活しています。理屈はマグロやカジキと同じで口を開けるだけで強制的に新鮮な水・すなわち酸素が取り込めるからです。これならただ定位していても泳いでいるのと同じ効果を得られるのです。

 バスに限らず魚食魚はとても慎重な性格と言えるでしょう。面白い事に向かってくる物体があれば逃げますが、追い抜く物体があれば追いかけるのです。恐らく向かってくる行為は攻撃≠ニ、追い抜く行為は逃避≠ニ判断するからなのでしょう。
 では流れに頭を向けているサカナを釣るにはどこにルアーを投げたらいいでしょう…もうお分かりですね、下流に投げて巻いてくるだけでいいのです。そうすれば流れに頭を向けているサカナを自動的にルアーが追い抜いてくれるのです。あとはサカナが食ってくるのを待つだけです。
 冒頭で話をした相模湖の件ですが、他の人たちは流れなど全く考えずめったやたらとキャストをしていたのですが私は意識して上流側にボートを回し下流にルアーを投げていたというわけです。たったそれだけの違いですが、盲点だったでしょ?

 これは渓流やアユを釣っていると習慣的に身につくことで、川バスを狙っている人達にとっても常識ですね。しかしこの原則が実は湖や沼・野池などの止水域でも通用することをご存知でしたか?もちろん川ほど露骨に違いが表れるわけではありませんが。

 基本的に北半球では時計回りに、南半球では反時計回りに水は回転すると言われています。実際そこに着目したバストーナンメンターもいましたが、これは地球規模の話で野池や湖のような地球規模で見たら毛穴にたまった雫のようなものに影響はほとんどありません。しかし確実に水は動いています。

 それは地軸の影響でもなんでもない、地形と風・流入河川と流出河川の影響なのです。

 全くのまん丸な、あるいは完璧な四角い野池ならば水上と水尻を調べれば嫌でも上流と下流は分かります。しかしたいていは岬があればワンドもある複雑な地形をしているものです。もちろん慣れてくれば見ただけで複雑な流れも読むことができるようになります。しかし慣れていないうちは全く流れが分からない難しいものです。
 そんな人はトップウォータプラグやシャロークランク・フローティングミノーを投げて放っておく事をお勧めします。そうすればルアーは流れに乗って流れていくのでそこで流れがどちら向きなのかを判断する事ができます。

 流れさえ見つけてしまえばあとは下流に向かってルアーをキャストする事を意識してやれば、それだけで釣果は伸びます。ただし下流ばかりに投げないでたまには上流にも投げてみましょう。風などの影響で若干流れが変わる事もある、かも知れませんので。

 流れを読むという習慣はバスでは余り重要視されてこなかったので完全に読み切るのは難しいかもしれません。ここではバスを釣るのに必要な最低限の事しか触れていませんが、もっと詳しく知りたい方はStep Up To Flyfishing≠ニ東京湾シーバスの釣り方≠ナ流れの読み方(Reading Water)を紹介しています。
 また実釣でどうしてもわからないと言う方は右写真のように誰が見ても分かりやすい<xッタベタな流れを見つけて流れを読む練習をするとよいでしょう。
参考までに…渓流フライではこんな流れを読んで釣っていくのですが、流れが読めます?
 

 バスを釣るために必要な自然観察を選別して基本的なことだけをまとめてきましたが、ここまでの事を知ればもうバスはかなり釣れるようになることでしょう。しかし、もうひとつの観察をすればもっとバスが釣れる、と言ったらどうでしょう。次の項では少し踏み込んだ話をしましょう。

 

勝手な推測はしない、知ったかぶりをしない へ