PART.2 ルアーセレクト編
 ・全てのプラグはスプーンに通じる

ハードルアー・ワイヤーベイト・ソフトルアー…数え上げるとキリがなく、初心者にとって何がなんだか訳が分からない世界ですね

 左の写真は国産・外国製の様々なタイプのプラグです。ルアーの中でもハードルアーと呼ばれるものに分類され、共通しているのはほぼ全てのプラグにリップが付いています。このリップの形状次第でそのプラグの特性が決まります。
 俗にジャッカルはいい∞ラッキークラフトは反応がいい∞メガバスは釣れる≠ネどと言いますが、メーカーがプラグを開発する際ほぼ100%このリップ≠ノ全技術力を注いでいます。それほどプラグの性格を決めてしまう部分なのです。あるルアーデザイナーに言わせると「リップは1mm違っただけでルアーの性格はまるで違うものになる」というほど繊細で重要な部分なのです。
 とはいってもそれは製品開発段階での話で、実際に製品として売られているものはそこまで気にする必要はありません。我々市販品を使う£゙り人にとって見るべきところはリップの形状≠セけで充分です。ではどのようにして見るべきなのでしょう…ヒントは、トラウトのルアーフィッシングで使うスプーン≠ノあります。

何の変哲もない鉄の塊 ですがここにハードルアーの基本が詰まっています

 左の写真はトラウトフィッシングで使うスプーンです。大きく分けると写真の通り3つに分類されます。違いは見ての通り、左側は幅が広く、右側は幅が狭いものになっていますね。
 同じ長さでも幅の広いスプーンはお尻を振る(ウォッピング)%チ性が強く、幅が狭まれば狭まるほどその特性は弱まります。その代わり幅の狭いスプーンは振り子のようにボディをくねらせる(ローリング)%チ性が顕著になります。一般的にはウォッピング特性が強いものはサカナに強烈にアピールし、ローリング特性が強いものは食い渋りに強いと言われています。

 また横から見てまさにスプーンのように膨らんでいるものはウォッピング特性が強く、ペッタンコなものはウォッピング特性が弱いと言われています。この幅と凹部の深さの組み合わせでその特性が決まるというカラクリです。
 つまりたとえ細長いスプーンだったとしても凹みが深いものならばウォッピングとローリングが混ざった泳ぎをする、幅のあるスプーンでも平べったいものだとローリング特性は抑えられるが凹みが深いとものすごいウォッピングの結果ローリングのようなフラッシング(キラッと一瞬反射する)効果が得られるというわけです。
 この形状の特性はスプーンのみ当てはまる理屈ではありません。全く同じことがプラグのリップのも当てはまります。

スプーンは形状とカップの深さで泳ぎが決まります

 右の写真は左からラパラ・FR5、ジップベイツ・ビースイッチャー2.0、ストーム・ウィグルワート5を正面から撮影したものです。同じ5cmのボディサイズですがこの3つは全く性格の違うルアーとなっています。スプーンと全く同じことが言えるのですから特性の違いはもうお分かりになりますね。
 そう、左に向かえばそれだけローリング特性が強く、右に向かえばそれだけウォッピング性能が強くなる。ただしプラグの場合全く同じ意味ですが、ウォブリング≠ニいいます。皆さんの持っているルアーもリップを良く見てください。それだけでほぼ特性を掴むことができます。

同じクランクベイトでもリップ形状が違えば全く違う種類のルアーのように泳ぎます
カップが深いとブリブリ泳ぐ…スプーンと全く同じです

 しかし左写真のルアーのように(ルアーはメガバス・X80ロケットダーター)リップの中央に凹みのあるものがあります。これはどんな特性があるのでしょう。
 それもスプーンの特性と同じで、凹みが深ければ深いほどウォッピング(=ウォブリング)特性が強くなります。ウォブリング特性を引き出すならリップを広くすればいいことなのですが、メーカーの考えでローリング特性を出したい∞幅の広いリップは空気抵抗が強まり飛距離が落ちるので幅を広くしたくない≠ネどの理由からあえて幅を広げないようにしているのです。

 ここまでの話はプラグの大きさが全て同じ¥鼾に言えることで、例えば大きさが変わってもすべて同じリップを使った場合どのような変化が現れるのでしょうか。

ラパラF5、7、9、11、13 どれもリップの形状は全く同じです

 例としてラパラのフローティングミノーを左の写真に示しました。リップ形状・大きさは全く同じですが5cmはウォブリング特性が強く、ボディが長くなるに従ってウォブリング特性は薄れローリング特性が強くなります。それは目視ばかりでなく手元に伝わってくる振動や抵抗感などの巻き心地≠ナも実感できます。
 なぜこのような特性が出るかと簡単にいえば、リップの特性をボディ全体に伝えようとする力とボディにかかる水圧との関係で、水圧の影響を受けやすいウォブリングはボディが大きくなると抑えられる傾向にあるのです。従って同じリップ形状であればボディの小さい方が派手に泳ぎ、大きいほうが地味になります(なんだかちょっと前のモーニング娘。みたいですね)。
 もちろんどちらがよくてどちらがダメ、というものではありません。ウォブリングが強いのかローリングが強いのかの違いですから状況によっては昨日は前者が釣れたけど今日は後者でないと釣れなかった、と言う事はよくあることです。

と、ここまでは基本的なリップ付のプラグの形状についてお話しましたが、少し違う形状のリップやリップのないルアーはどのように判断したらいいのでしょうか。

 右の写真のルアー(左からボーマー・モデルA、ハンクル・K−1ミノー、メガバス・ライブX−リベンジ)は共通した動きを見せるのですが、どのように動くと思いますか?
 答えはウォブリングとローリングが混ざった特性≠ナす。幅の広いリップをしているのですが、先端が尖っているものは全体が幅広いものと比べて水を掻く面積が小さくなります。これは細いリップと同じ理屈なのでローリングの特性が出ますが幅が広い部分もあるのでウォブリングの特性も出る、という理屈です。この細くなる幅が長ければ長いほどローリング特性が、逆に幅の広い部分が多ければ多いほどウォブリング特性が強く出ます。

全くカラーが違うと思われているこれらのルアーの共通点…先細りする独特のリップ形状です
どれも国産リアル系<oイブレーションですが、泳ぎは全く違います

 ではバイブレーションはどう判断すればよいのでしょう。(左写真:左からシマノ・アンジュレイター、メガバス・バイブレーションXウルトラ、エバーグリーン・インスパイア・ブザービーター)別名リップレスミノー≠ニいうバイブレーションにはリップはありません。にもかかわらず他のプラグ同様ただ巻きでウォブリング・ローリング特性が出ます。
 答えはヘッド形状にあります。ヘッドの水の当たる部分がリップの役目をしているのでここで特性を見極める事が簡単にできます。シマノ・アンジュレイターは他のふたつに比べてヘッドの部分が狭くなっています。これは幅の狭いリップと同じ理屈ですからローリングが強い<泣Aー、インスパイア・ブザービーターは誰が見ても幅の広いリップと同じ形状なのでウォブリング特性が強い<泣Aーといえます。では真ん中のメガバス・バイブレーションXウルトラは、というと…一見するとアンジュレイターと同じに見えますが良く見ると目玉の部分も水に当たるので菱形のリップと同じになりますね。ということはウォブリング+ローリング≠フ特性を持っていることが分かります。

 ハードルアーにはワイヤーベイト≠ニいうカテゴリーもあり、スピナーベイトとバズベイトがあります。バズベイトは基本的にはどれを取っても全く同じなので割愛します。
 ではスピナーベイトは?これは最初に話したスプーンの理屈がそのままブレードに当てはまります。1枚ブレードで考えると最も幅の広いコロラドタイプが激しくウォブリングしますので本体に与えるバイブレーション(振動)効果は最も高く、ウィロータイプはローリング主体なのでフラッシング効果が高くなります。
 2枚ブレードになるとコロラドX2が最も強いバイブレーション効果が得られる、と思いきや2枚の振動が相殺効果をもたらし振動もフラッシングも最も効果が小さくなる、という落とし穴があります。追記として、ワイヤーは太いと振動が伝達しにくく細いと伝達しやすくなりますが、細いと強度が落ちで簡単に壊れます。

コロラド、タンデム、ウィロー…名前を覚えただけで分かった気になってはいけません
それなりに工夫はされていても、基本はただの棒でしかないペンシルベイト…実はこの極限までにシンプルなルアーにアクションの秘密が隠されている(後述)  プラグの中でもペンシルやポッパーなどのリップのないトップウォーターは例外になります。というのもこれらは基本的にただの棒≠ナ釣り人がアクションをつけるものだからです。追記として、左写真中央から右(中央:ウィップラッシュ・ファクトリー・ライブワイヤー、右:メガバス・ジャイアント・ドッグX)はミノーペンシル≠ニ呼ばれることもありますが、ただのペンシルを気取ってそう呼んでいるだけで使用用途からいえば写真左(へドン:オリジナル・ザラ・スプーク)と全く同じです。
 

 以上釣りをする上で必要な特性の見極め方≠紹介しました。これで今買おうとしているルアーの特性はほぼつかめたのではないでしょうか。もちろん最終的には泳がせてみないと詳細は分かりませんが、トンチンカンで的外れな選び方は完全になくなります。続いてルアーの潜る深さの見分け方を紹介していきましょう。

 

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