PART. 実釣編
 ・ボートなら釣れる、というわけではない

ボートがあれば…と乗ったら乗ったで釣るためのコツがあります

 これは釣れない人のよくありがちな言い訳…「ボートで釣っていれば釣れたのに」。しかし本当でしょうか。
 野池やリザーバーのようなところでは確かにボートが欲しくなる瞬間があります。足場が1箇所しかない、明らかにバスが付いていそうなポイントの周りに足場がない等など、オカッパリでは行く事ができないところでは間違いなくボートが欲しくなります。しかし河口湖や山中湖のような湖全体がオカッパリポイント≠ニいうところでも同じ事を言う人間が少なくありません。
 そんな連中がボートに乗ったところで結果は丸見え・結局釣れません。なぜなら全く自然観察の基本ができていないからです。ここまでしっかり読んできてくれた皆さんは何の問題もありませんよね。基本はしっかり踏まえている、ルアーも特性をしっかり把握している、地形も水温も全て把握している、それでも釣れない…それはボートに問題があるのではないでしょうか。

 まず考えられるのはボートに乗る事に慣れていない、ということです。論理だけを言えばバスの頭上にボートを停める事も可能です。しかし現実はそんなに甘いものじゃありません。
 前項のオカッパリで立ち位置や姿勢について話しましたが、ボートに乗っても条件は全く同じです。もちろんボートでしゃがんでも良いのですが、ボートが浮いている限りあまり意味がありません。基本としてサカナの視界が効くクリアウォーターでは狙ったポイントから10m以上・サカナの視界を遮るマッディウォーターの場合は5m以上の距離を置くのが基本です。
 サカナにこちらの存在を悟られないようにするには、オカッパリなら距離を置く以外にしゃがんで水面のミラー効果を利用するという頭脳プレイ(前項で解説)がありますが、ボートの場合残念ながらポイントから距離を置く以外に有効な手段はありません。特にクリアウォーターの場合距離を置く事になるのでオカッパリ以上にキャスティング精度が問われることが多いのも実情です。

ボートを出した、それでも釣れない…ポイントに近づきすぎている場合が多い
船の上でバタバタ音を立てると、そのノイズは全てバスにダイレクトに伝わります  理論上はバスの頭上にボートを停められるということは同時にボートの上でガタゴトと音を立てればダイレクトにバスに届く事を意味しています。それこそロッドを置いた音だけでも水の中では驚くほどよく響き渡ります。当然余計な音を立てたらバスは散るかスプークしてしまい、釣れるものも釣れなくなってしまいます。ボートに乗っても釣れない人の大半は解放感から気が緩みボートの上でドタバタ音を立てて釣れない状況を作っているのです。

 さらにボート自体がバスを散らしているということも考えられます。

 レンタルの手漕ぎボートでも3m以内でバスが喰ってきた、なんてこともよくあります。しかしなぜかジョンボートやVハルのアルミボートはバスを発見して船体を寄せるとあっさり逃げてしまうことがほとんどです。これは大きさやエンジンの有無のせいだと考えられているようですが、アルミボートより大きくエンジンもでかい大型のバスボートは意外と近くに船体を寄せてもバスは逃げないことのほうがほとんどです。それはなぜか。
 原因はボートの材質の違いにあります。レンタルの手漕ぎボートや大型のバスボートはFRPでできていてある程度の衝撃を吸収してくれます。しかしアルミボートの材質は文字通りアルミで、衝撃はほとんど吸収しません。衝撃を吸収しないので停泊中でも波がボコボコ当たると船自体が増幅装置となって(アコースティックギターのボディの理論ですね)水中に音を跳ね返してしまうのです。アルミボート特有のあのボコボコという音は意外と水中のバスにプレッシャーを与えているのです。
 最も波の音の影響を出さないのがゴムボートで、衝撃吸収率は最高です(モノがゴムなだけに当たり前ですが)。最近では1人乗りのボートが販売されているので最も手頃なボートといえるでしょう。最も機能的なボートは何といってもFRPのボートで、アルミボートはバスフィッシングにはさほど向いていないといえるでしょう。しかしこれは単に衝撃吸収率だけの話で、実際にはFRPよりポイントから離れるなどの工夫をすれば、小回りが効き運搬も比較的容易なアルミボートはやはりバス向きのボートであるといえるようになります。
バスボートは意外とサカナを散らさない
ボートに乗れば釣れる…という保証などどこにもない  オカッパリの場合ルアーやタックルの特性を把握して使い分ける事だけを気にしていれば良かったのですが、ボートに乗るとなると今度はボートや水質などの特性を把握するという作業がもれなく付いてくるうえに操船までしなければならないのでかなり厄介です。その際アルミボートが衝撃音を増幅する事を意識していればむやみにポイントに近づくこともなくなるでしょう。アルミボートに乗ってオカッパリほど釣れないというのは十中八九ポイントに近づきすぎている事が原因なのです。
 もちろんFRP製のバスボートやゴムボートに乗っているからといって油断は禁物です。特にクリアウォーターの場合ボートの影がものの見事に底に映り、それがサカナを散らす原因となるからです。オカッパリでは水面に影を落としてはいけない≠ニいうのが大原則でしたが、ボートに乗ればそれが免除されるというのは大間違いです。
 どんなボートに乗ってもポイントから距離を置くということに違いはありません。その距離がFRPボ−トだと8mだがアルミボートだと12mといった具合に(フィールドやポイントによって変動する)船体の材質によって停泊位置が変わる、ということです。
 ボートの特性を把握してポイントから距離を置いていても釣れないという事もよく聞く話ですが、難しい理由が隠されているわけではありません。
 同じフィールドをオカッパリで攻める場合とボートで攻める場合で考えてみましょう。オカッパリの場合どうしても機動力に限界があるので丹念に攻めてしまうものです。それに対してボートの場合機動力が高いので短時間で多くのポイントを回ることができます。皮肉な事にボートの機動力に頼りきってしまうと「ここで反応がないから次に行ってしまえ」とひとつのポイントをじっくり攻めることを忘れてしまいがちで、ボートで釣れない人の多くはオカッパリの時ほどひとつのポイントを攻め切っていない場合がほとんどです。

 最後にオカッパリで釣れない人はボートに乗ってもボートに乗っても釣れません。理由は簡単、オカッパリで釣れない人はブラインドフィッシングが分かっていないのですからボートに乗ってもただ闇雲にオカッパリでやってきた事を繰り返すしかないからです。最も大切な事は釣るために金を掛ける≠フではなく釣るためにすべき事を知る≠アとです。
河口湖・大石公園前です ここのボートの平均停泊時間は12分(実測)…あまりに短すぎませんか?
 

 ひと言で言ってしまえば「ボートでもオカッパリと変わらない」ということになりますが、深場を攻めることができたり機動力が段違いに良いということを考慮してここでは本文中の明言を避けました。さて次の項ではオカッパリのもうひとつのアプローチについて説明しましょう。

 

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