PART. 実釣編
 ・ウェーディングとフローターは同じ

 オカッパリの最終兵器ともいえるのがウェーディングです。
 元々エサ釣りやフライフィッシングでは昔からごく当たり前に行われてきたいわゆる立ち込み≠ナすが、ここ数年でバスフィッシングでもオカッパリの可能性を広げる手段として定着してきました。
 ウェーディングではウェーダーというアイテムが絶対必需品となります。これは体を濡らさないという事を最大の目的に履くもので、脚全体を覆うニーブーツ、腰まで覆うウェストハイ・ウェーダー、胸まで覆うチェストハイ・ウェーダーに分かれます。バスフィッシングに限らず胸まで覆うチェストハイが最も一般的で、オールマイティタイプと呼べるでしょう。最も深い所まで立ち込めるメリットの他にボートの引き波などの波が来ても胸まで覆っているので濡れる心配がまずないということが多くの釣りに受け入られているのでしょう。
 アユ釣りではサーフィンやボディボードで用いられるようなウェットスーツを用いますが、高価で一般的には用いられる事はありません。

ボートを出した、それでも釣れない…ポイントに近づきすぎている場合が多い
ボートがあれば…と乗ったら乗ったで釣るためのコツがあります

 ウェーダーにはあらかじめ長靴が装着されているブーツタイプと専用の靴を履くストッキングタイプに分かれます。単に優劣だけを言うのであれば足首が自由に動き機動性が高いのは間違いなくストッキングタイプです。しかし泥底のフィールドが多いバスフィッシング程度なら靴が脱げないブーツタイプが断然有利です。
 またウェーダーは材質によって快適度がまるで違ってきます。最も安価なものはナイロン製のもので、頑丈ではありますが体温が放出されず蒸れてしまいます。近年まではこの蒸れる℃魔嫌い夏などは素足にビーチサンダルで入水する人が後を絶ちませんでした。最近ではゴアテックス社や東レ社製の優れた透湿効果が期待できる素材を使ったウェーダーが販売されており、夏でも快適になりました。また水温が低下する時期に対応したネオプレーン製のウェーダーもあり、さらに最近ではチタン合金プレートをコーティングし保温性を高めたものも販売され、今やウェーディングは1年中楽しめるようになっています。

船の上でバタバタ音を立てると、そのノイズは全てバスにダイレクトに伝わります  夏になるとウェーダー購入代金をケチって短パンや海水パンツ+ビーチサンダルという人を食ったような格好で立ち込んでいる人がいまだに後を絶ちませんが、これはとても危険な行為です。水の中は冠水植物や水棲植物などの棘やそこに引っかかったルアーや釣り針が結構あります。肌を露出していると危険なことは分かりますね?そればかりでなく水温が想像以上に早く体温を奪い一時的な低体温症の危険が伴います。

 ウェーダーを履く時に注意しなければならないのは中にどうしても空気が入ったままになることです。空気が入ったままだと転倒した際ウェーダーが浮きとなってしまい頭を水面下に浮く事になります。ウェーディングで事故死をするのは、転倒してウェーダーの中の空気を抜かなかった≠スめに顔を水面に出す事ができなかったからというのが最も大きな要因なのです。
 ウェーダーを履いたら入水の際まず膝まで入りベルトを緩め、空気抜きを行います。その後慎重に腰まで入ってベルトを緩め完全に空気を抜きます。水に入ればウェーダーは水圧で体に密着しようとするのでベルトを緩めるだけで簡単に空気が抜けるのです。ウェーダーの中にはベルトが付いていないものもありますが、釣りで使うのであればベルトがないと空気も水も入れ放題になってしまうので必需品です。
 また深くまで立ち込めるからと調子に乗って胸元ギリギリまで立ち込む人も少なくありません(特にバスフィッシングの場合)が、ボートの引き波やデコボコな底に足を取られて転倒する危険が高くなります。チェストハイ・ウェーダーの場合腰のあたりまでが限界と考えるべきです。

 それではもっと立ち込みたい≠ニいう時はどうしたら良いのでしょう。
バスボートは意外とサカナを散らさない
フローターはボートというよりウェーディングの要素のほうが強い  もっと立ち込みたい時にはいっそのこと浮いてしまえば安全です。そこで登場するのがフローターです。

 フローターをボートの延長と捕らえる人も多いようですが、むしろウェーディングに近いものと考えたほうが良いでしょう。ウェーディングだと立ち込む深さばかりでなく水圧によって移動することさえままならない。そこで浮き輪で浮かんでしまえば転倒も水没もせず釣りに専念できるという訳で生まれたのがフローターです。元々はフライフィッシングで用いられていたアイテムですが(名残としてフロントにエプロンがありますが、元々はフライのラインを落とすためにあります)、便利な道具なのでバスフィッシングでも用いられるようになりました。形状からスクエア・O型・U型・V型・H型とあり、最も直進安定性が高いものはH型・V型・U型となります。特にH型は小さな双胴船≠ナ安定性は抜群でオールが付いているものまでありますが、セッティングは時間がかかります。
 フローターで入水するときはフィンが邪魔になり歩きづらいものです。転倒の危険もあるので、一見マヌケに見えますが、カニ歩きする事が基本です(水から上がるときも同じ)。フローターは水さえあれば浮いてくれるので膝より下のところまで立ち込めば出発できます。進行方向は後ろで、バックしながら進みます。
 水に浮かんで移動できるところからフローターをボートの延長と考える人も多いようですが、フィン(足ヒレ)で移動するにはやはり制約がかかる、などからウェーディングとボートの中間に位置するものと考えると良いでしょう。

 ウェーディングとフローターのいずれの場合にもライフジャケットは必携で、「暑いから着ない」「着るのが面倒臭い」からと安全を軽視する人は釣りをする資格はありません。「もう慣れたから大丈夫」という油断こそが命取りで、釣り人は水を恐れず侮らず≠ェ基本中の基本である事を肝に銘じてください。
河口湖・大石公園前です ここのボートの平均停泊時間は12分(実測)…あまりに短すぎませんか?
 

 ひと言で言ってしまえば「ボートでもオカッパリと変わらない」ということになりますが、深場を攻めることができたり機動力が段違いに良いということを考慮してここでは本文中の明言を避けました。さて次の項ではオカッパリのもうひとつのアプローチについて説明しましょう。

 

水質の違いは立ち位置も大違い へ

 
バカと呼ばれないための BASS FISHING TOPに戻る