PART. タックル編
 ・いいロッドは感度∞軽さ∞頑丈≠ナある

●高いロッドがいいロッドとは限らない
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 ではここで釣り道具クリエイターをケチョンケチョンにけなしてみましょう。
 雑誌などでは感度が云々∞グリップの握りが云々≠ニもっともらしく紹介されていますが、日本のバスロッドの9割強が富士工業製グリップ(既製品)を使用しているので握りの感覚が変わるわけがない。背景には富士工業さんが日本国内のガングリップ(パイプ・リールシート)に関するパテント(特許)を持っているので新製品を独自に開発するより富士工業製品を買って使用したほうが安く仕上げる事ができる、と。
 同じリールシートを使用して感度を変えるにはブランクス(ロッド本体)とリールシートの間に挟むスペーサー(=アーバー)の材質で決まりますが、コルク<グラス<カーボン≦アルミ<チタンの順で感度が向上します。ついでに言えば値段もほぼ同じ順序で高価になるので定価が高い割には使用しているパーツは格安でほとんどが利益という物も少なくありません。
 さらにブランクス単価を下げるためにアジア諸国のノックダウン製品を使用して国内で組み上げると一応国産品となります。従ってロッドの核になる部分は格安の台湾製やシンガポール製でも表示は日本製として売りつける邪悪なメーカーが存在したりします。そこに思い切り利益を乗せてもありがたがる奴はありがたがる、が、実際は左写真のロッドと性能に差は見られない…ユーザーとして見たらどちらがいいロッドか、もう私が言うまでもありませんね。

 と劣悪メーカーの告発のような事を書き連ねましたが、それはこのメーカーだと名指しすると訴訟問題に発展しかねないので控えておきましょう。
 さらに近年では日本のメーカーの指導管理によるアジア各国の工場で生産されたロッドの質も確実に向上しており、1980年代のようなアジアの竿は安かろう悪かろう≠ニは言い切れなくなっています。個人的観測では近い将来ノウハウを手に入れたアジア各国が日本製ロッドを脅かすような高品質のロッドを当たり前のようにリリースしてくる事でしょう。
 しかしどこの国のロッドでも費用をケチっていたら良い竿などできるはずもありません。ブランクスで言えばカーボン素材の質と面積をケチると折れやすい竿になります。多くのメーカーでは良い竿は折れやすい≠ニいう寝言をそのまま前面に押し出している所も少なくありませんが、そんな戯言が通用してしまうのは日本くらいでしょう。
 国産で最も使い勝手の良いロッドと言えばダイコー製品を挙げる人も少なくない事でしょう。最近では韓国に新工場を展開しているそうですが、日本の大小ロッドメーカーの9割近いブランクス提供をしている老舗で、まずまず外しの少ない手堅いセレクトと言えるでしょう。難を言えば多くのロッドを作っているだけに癖がない=個性がないという性格も持っています。

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 日本ではなぜか良い竿は折れやすい≠ニいうデマがまかり通っている節がありますが、アメリカ合衆国ではそんな話は通用しません。何しろアメリカ人(特に南部系)は日本人のように陶器を扱うようにロッドを扱ったりせず平気でトランクやボートの上などにタックルを放り投げますが、そこで折れてしまうロッドはどんなに軽くて感度が良くても使い物にならないダメロッド≠ニ烙印を押してしまいます。
 そんなアメリカ人を合理主義と呼ぶかただガサツな奴と呼ぶかはともかく、メーカーとしてはまず丈夫である事≠至上課題にブランクスを作ります。それに加えて軽さと感度の良さを乗せて設計するので本当に良い竿ができる土壌にあるといえるでしょう。
 一昔前のフェニックスのような頑丈だけど重い竿≠ェU.S.A.ロッドの最大の特徴といまだに信じて疑わない人が多いようですが(特に40代以上)、左のG−Loomisは軽い・感度が良い・頑丈の全てをクリアした数少ないロッドです。特にIMXは積極的なバス・フィッシングには欠かせない感度と張りには定評があり、不意の大物にも余裕のトルクが特徴です。残念ながらナチュラム取り扱いのロッドは頑丈一点張りのガイドでSiCではありません(並行輸入品か?)。

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 G−LoomisブランクスでSiC以上のスペックと言えばNoriesを外して考える事はできません。こちらはルーミスブランクスにSiCガイドを装着+世界のタナベ<uランドとなっています。
 しかし個人的にはやたら自重が重くなり丸1日振り続けると疲れてしまうのでバランサーというものはどうしても好きになれない。これも日本固有のデマですが、どういうわけか『良い竿にはバランサーがついている』という根も葉もないウソがまかり通っています。デザインの段階から加工・組み上げまで細心の注意を払えば(=極めて緻密に作成すれば)バランサーなんかなくてもベストなロッドバランスで組み上げる事ができます。しかし緻密に作るにはそれなりに高度な職人技(クラフトマンシップ)が要求され、それが叶わない場合バランサーでごまかす、と。皆さんがいったいどこに良さ≠見出すかにもよりますが、ここでは
良い=どこをとっても緻密に組み上げられたもの≠ニ解釈して話をしています。
 そういう解釈でモノを言うと、残念ながら国産ロッドの大半はバランス計算に失敗した駄作をバランサーでごまかしているという悲しいお知らせになり、かなりロッドが絞り込まれてきます。見た目だけ(=ハッタリだけ)のものはいっぱいあるんですけどね。
●リールシートで考えるとロッドは限られてしまう

 さらに最初に述べたリールシートに独自路線を取っているものに絞り込むと日本には3つのメーカーに絞り込まれてしまいます(G−Loomis米国仕様・フェンウィック米国仕様は除く)。
 まずはダイワ精工の上級機種ですが、リールのシート部分が皿≠フようになっていてブランクに直接触る事ができるように加工されています。このブランクタッチ構想は最近富士工業製ブリップでも積極的に採用されていますが、ダイワでは当の昔から採用されていた、と。
 当然リールも売りたいダイワさんですからダイワのロッドはダイワのリールと合わせて初めて最適なバランスが取れるように設計されています。『キッタネー』と思う人もいるとは思いますが、そう思惑通りに行かないのは人というものが竿やリールのようにベルトコンベアの上で作られる大量生産品ではなく人の手で大事に作られる(最近ではないがしろに作られている節もあるが)家内制手工業品・超カスタムメイドだという点にあります。
 つまり超手作り品である人の手というものはそれぞれの感覚の違いを持っています。それだけにメーカーが万人受けすると思って作っても意外な組み合わせが手に馴染んだりするのは当たり前、ということです。実はダイワのロッド+アブのリールの相性がいい事はあまり知られていない。

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 シマノのシャウラに採用されているリールシートはある意味究極≠ナす。
 コールド・フォージドという製法でアルミを叩いて圧縮しパイプ・シートを削り出すという製法はそれだけで大変手間ひまのかかるものです。それだけに感度と強度それに軽さに優れ、ブランクに直接触るより感度がいいという増幅効果≠燻揩チています。リリースされてから随分経ちますが性能に関してはいまだにトップレベルにあるというのは素晴らしい。
 シマノさんもダイワさん同様リールを売りたいのでシマノのリールを組むことで最適なバランスが取れるように設計されていますが、どこまで行っても人間というものは超カスタムメイドですから、シマノのロッドにダイワのリールという組み合わせがしっくり来る人もいることでしょう。特に霞ヶ浦くんだりをメイン・フィールドにしている人でシャウラの前身・BSRやScorpionXTにチーム・ダイワという夢のコラボ≠楽しむ人が少なくありません。
 とにかく前衛的なほどに色々な新しい試みをするシマノさんは、買わないまでも注目して損はないメーカーです。
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 ピュア・フィッシング扱いになってからリリースされたAbuGarcia名義のロッドはもろにブランクタッチです。一見すると斬新なデザインですが、個人的にはどうしてもBSRやScorpionXTに見えてしまいます。しかし大きな違いは何と言っても材質に硬質プラスティックやアルミといった近年当たり前に使用されているモノではなくチェリーウッド(桜の木)を使用しているのが今の時代には目新しいのがポイント高しです。
 個人的に言えばハードロック・メイプル(バリトラね♪)やカリンやローズウッドもしくはエボニーといったチェリーウッドより目の詰まった木材をニトロセルロース・ラッカーで仕上げてより感度を掴み手にしっくり来る仕上げにして欲しかったところだが、釣具メーカーはギターメーカーほど木には詳しくないので『それは無理な相談』といったところか。
 いずれにしても既製品にがんじがらめになって個性のないロッドが多いバスロッドにあってかなり冒険した意欲作といえるでしょう。個人的にはフライ・ロッドのように品位と風格を備えたロッドがそろそろ出てきてもいいのではないか、と願うのは私だけでしょうか?
 
 写真素材として使用したタックルはクリックするとナチュラムの解説ページに飛びます。バスフィッシング用品が軒並み店頭から減っている昨今の釣具店ですが、「近所に扱っている釣具店がない」という人のために購入もできます。
 

 とどこまでも独断と偏見に満ちたタックル評価を書き連ねましたが、人間の手は意外と既製品に柔軟に対応してしまうので雑誌で言うほど偏屈になる必要などどこにもありません。どうしても困った場合このページで紹介しているロッドを選べばまず外れはありません。

 

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