Column
#006:今時ホームページを持たない釣具屋さんって…
●最近のド田舎
 例えばめでたく就職が決まったとする、例えば地方に転勤となったとする、例えば地方の学校に進学が決まったとする、例えば地方に嫁ぐ事になったとする…当然引越しとなると何はともあれまず生活の拠点となる住まい≠調べます。それもただ屋根があって窓があればいい、というものではない。まず考える事は「これから行く先の家賃や土地価格の相場」と「いい不動産屋」を探す事です。
 さらに近くにスーパーやコンビニはあるかといった衣・食≠フ充実した所を探します。これが釣りバカの場合「近所にいい釣り場はないか」「近所にいい釣具屋はないか」を探します。困った性癖ですが、事実近所にいい釣り場といい釣具屋さんがないと住環境は大きく変わってしまいとても暮らしにくく感じてしまいます。
 PCがない頃にはこれらの作業は大変でしたが、今ではネット検索をかければ簡単に情報が入って来るのは常識です。驚いた事に首都圏などの都市部より地方のほうが情報が充実していたりします。
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image photo  昨今の地方はそれまで不便だった通信を充実させるべくインフラ整備が積極的で、電波の通りが悪い山間部などではケーブルテレビ回線を敷いたり、新規電話回線として「どうせ敷くなら」と最新の設備を導入したりと、インフラ整備は目を見張るものがあります。実際「何で?」と思えるような僻地のホテルで50ch以上のテレビや無線LANが完備されていたり、田んぼのど真ん中の民家の居間にパソコンが鎮座召しましていて「え?」と驚いたり…
 下手すると23区よりインフラ整備率の高い僻地というところも確実に存在します。囲炉裏の傍らにIP電話などという光景を目の当たりにすると一体何が進んだ生活で何が遅れた地域なのか分からなくなってきます。
 インターネットの普及のおかげで地方の釣具屋さんのHPは驚くほど充実しています。もちろん「うちはそんなのやらねえ」という頑固な釣具屋さんもありますが、普及率だけで言えば地方都市のほうがはるかに都市部を上回っています。
 
 
●地方の釣具屋さんがHPを持てるわけ
 HPによってはFlashを多用していたり様々なギミックを駆使して閲覧する者を楽しませるところも多々あります。そこでここだ≠ニ見つけた釣具屋さんにいざ言ってみるとHPの派手なデザインとは裏腹に地味な店だったり狭い小さな店だったりジイサマがひとりで充分切り盛りできる店だったり…別の意味で驚かされますが、「HP見て来ました」というとどんなに頑固なジイサマでも「そうか、よく来たな」とオープンになってくれます。そんな時「あ、HPで書いてあった決まり文句ご来店をお待ちしております≠ヘ本当だったんだな」、と胸をなでおろすのです。
 しかし実際店舗に顔を出していつも疑問に思うことがあります…「こんなジイサマにあんなHPが構築できるのかな?」と。確かに今はHTML言語が分からなくてもHP作成ソフトがあればそれなりに出来上がってしまいますが、中にはPCどころかデジカメひとつマトモに扱えないようなジイサマ一人なんてことも珍しくありません。言っては失礼だが、HP作成業者に依頼できるほどの売り上げも出ていないようなところも結構あります。
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 そんな疑問を直接聞いてみるとあっさり解決してしまうものです。
「ああ、アレ(HP)は息子が作ってくれたんだよ」
…なるほど納得。親孝行な息子さんがいてよかったですね、というところもありますが中にはジイサンとバアサンだけしかいないところもあります。そんな所では
「アレはウチの常連さんが作ってくれたんだよ」
という答えがほとんどで、自分で構築しているというスーパージイサンの店はあることはありますがごくわずかです。
 これはある意味その店の良し悪しを知る上でとても参考になる話です。その気になれば金が取れるほど面倒臭いHP構築を無償で引き受けてくれるのですからこの店の店長の人柄が窺えます。仲良くなって損のない相手です。引越しや遠征の際地方の釣具屋さんのHPがあると何かと便利で、もはや釣りの必需品のひとつと言えるでしょう。
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●都市部の釣具屋さんの現状
 目先を変えて都市部のHP普及率はどうでしょうか…実店舗数は圧倒的に都市部のほうが多いですが、HP普及率となると意外な事にとても低いのが現状です。大型釣り具量販店では各店舗がスタンドプレイをしないように本店が一括でHPを作成管理し各店舗でのHP作成を禁じているところがほとんどです。
 それでは本店のしがらみなど全くない個人経営の釣具屋さんならさぞかしHPを公開しているだろうと思うのですが、これまた普及率は低いものです。それは何故かと尋ねてみると…
「HPの作成方法が分からない、PCが分からない」
「HPを作るのは大変」
という意見が半分、あとは
「ネットショップを出しても意味がない」
「ネットショップをやると配送で手が一杯になって店頭がおざなりになる」
という意見が半分です。前者は原始人と鼻で笑って終わりとしても、後者は一見するとまともな意見ですがHP=ネットショップ≠ニ考えを凝り固めているお粗末さはやはり原始人です。
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image photo  何でもかんでもすぐに利益に繋がらなければやってもムダという考え方自体が浅ましく情けない。実際に釣具店のHPでネットショップを併用している所は半分にも満たないのが現状です。ほとんどは店長やスタッフの釣行記や釣り場情報と取扱商品がせいぜいですが、それでも引越しをしたり遠征をする際にはとても助かる情報です。
 確かにただ情報を流しているだけで直接利益をもたらさない無駄な行為にも見えますが、潜在的な顧客獲得を考えるとむしろ効果的な宣伝方法です。とても気の長い話ですが、世間様に広く自分の店舗をアピールする事が商売の基本です。
 その基本に対して分からない∞大変で面倒臭い≠ニ平然と言ってのけてしまう釣具屋さんって…それも作ってやると申し出てくれるような常連さんもいない釣具屋さんって…またフェレンギ人のように何でもかんでも儲けないと気が済まないとばかりにネットショップは…≠ニお粗末な発想でしかモノが言えない釣具屋さんって…ズバリ言ってしまってもいいのですが、エチケットとして言わないでおきましょう。
 
 
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