Column
#009:釣り人と社会貢献を考えてみました…その2・バスフィッシング編
●静≠フ釣りと動≠フ釣り
image photo  とかくバスというサカナとバスフィッシングを楽しむ釣り人は事につけ槍玉にあげられます。もちろんそのほとんどは単なる言いがかりでしかないのですが、言いがかりをつけられるには何かしらの原因があります。そのほとんどは釣り人側にあるのではないか、というのが私の考え方です。
 原因はアグレッシブに動くバスフィッシングのスタイルではないでしょうか。1尾でも釣るならオカッパリでもガンガン歩きたい、オカッパリで入り込めないような場所だとウェーダーやフローター、ボートを使ってでもポイントに近づきたい。そんなわけでバス専門店に行くとフローターやボート用品を置いているところが結構多いというわけです。
 このスタイルはバス・フィッシングが盛んなアメリカの中部〜南部の日本の僻地など比べ物にならないド田舎で広大なフィールドを駆け巡る事が基本に構築されたスタイルなので、良く言えば豪快・悪く言えば繊細さのカケラもない大雑把なものです。
 
image photo  もちろん日本で独自の発展はしましたが、セコイのと繊細さは根本的に違うという事は理解されていないようでして、基本的な部分はやはりアメリカのド田舎のスタイルそのままです。
 対して日本ではコイのブッコミ釣りやへらぶな釣り・磯のメジナ釣りやクロダイのダンゴ釣りのように回遊ルートに待ち伏せてじっくりひとつのポイントを作り上げて攻め続ける弥生式の釣りが主流です。もちろんイワナ・ヤマメやアユ釣り・クロダイのヘチ釣りのようにポイントを叩いて歩くアグレッシブな縄文の釣りありますが、困った事にバスフィッシングのフィールドはコイやへらぶなと被ってしまう、それまでは明らかに縄文と弥生の住み分けができていたのに、とこれが実に厄介な問題となってしまうのです。
 俗に言う日本の静≠フ釣りとアメリカのド田舎(アメリカでも北部ではこのようなガサツなスタイルは取らない)の動≠フ釣りの違いと言えますが、1点をじっくり耕す人にとってウロチョロ動き回られると結構ウザったいものです。釣りだけの話をすればお互いのスタイルを理解しない限り発展的な関係は築けないでしょう。
(縄文の釣り・弥生の釣りに関しては Column#016 にて)
 
 
●ボートを持っているという事は…
 釣り人同士のいざこざはともかく、バスフィッシングをしている人ならば「ボートが欲しい」と1度や2度考えた事があるでしょう。2004年の法改正で全長3メートル未満・2馬力以内のエンジン船の航行には免許は不要≠ニいう好条件も加わりウラ漁師的にはマイ・ボートがグッと現実的なプランになってきました。
 当然安い買い物ではないのでバスの他に何か使えることはないかと考えてみると…湖沼のトラウトからへらぶな釣り・ワカサギ釣り、果ては東京湾内のシーバスフィッシングに使えそうだという理由で現在着々とボートの購入を考えています。これだけの利用価値があればまず買って損する事はないでしょう。
 などと考えていた2005年は特に台風の多い年でした。東京都内でも目黒川が氾濫したりという異常事態が発生したり大変な秋でした。そんなニュースを連日見ているうちにふっと思いつきました。
「バスボートって、災害救助向きなんじゃないの?」と…
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 ここで言うバスボートはトップ・トーナメンターが乗っているようなものではなくアルミ・ボートやジョン・ボートを指します。バスボートにはエンジンとエレキをセットで搭載するのが常識ですが、これは2階や屋根に逃げた住民を助け出すには微調整を入れながら接近できてとても有利です。さらにデッキがあるのでバッテリーへの浸水も防げる、デッキは取り外しが出来るので救助の際以外と多くの人間を乗せることが出来る、と救助の際有利になる装備がひと通り揃っています。
 もちろん濁流が押し寄せてくるようなところでは2馬力程度のエンジン船では航行するだけでも一苦労ですが、都市部の窪地に水が溜まったような水害なら充分いける…。あとは発炎筒とメガホンがあればいいだけです。
 いわゆる15ft以上のバス専用FRPボートでもいけますが、混乱している災害現場でボートをセッティングして浸水させるとなるとかなり手間取り非効率的です。やはりアルミ・ボートやジョン・ボートのほうが向いています。
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アウトドア&フィッシング ナチュラム
 
●サカナに優しく、自然に優しく、そして人にも…
 もしこれを実行したら、当然民間レベルでの救助活動になるので自衛隊・レスキュー隊や消防といった公共機関の活動を妨げる可能性も考えねばなりません。が、一刻を争う緊急事態で1秒でも早く非難させることが最優先課題となったらこのようなボランティアは必ず重宝するはずです。バスフィッシングを楽しむ人は1地域に結構な数がいますしその中でもボートを持っている人は意外といるものですから、もし彼らが災害の際手を貸したら…結構いけるプランではないでしょうか。
 もちろん避難のために被災者を船に移したはいいがどこに避難させればいいか、鉄砲水のような突発的な2時災害は起こらないか、はたまた救助に慣れていない人がどこまで出来るか…と様々な問題もありますが、最も問題なのは「誰がこのようなボランティア活動を統括するか」です。
 個人で船舶を持っている人達に向けた災害救助のボランティア団体が既にあってもよさそうなものですが、驚いた事に動物愛護団体はたくさんあるというのに人間様を助ける団体というのは非常に少なく、ボートで人命救助をしようというボランティア団体はないんですね。法的な問題も含めて様々な問題があるのでしょうが、ボートを持っていたらこのくらいの手助けが実現できたらもっと安心して暮らせる社会になるのではないでしょうか。

BassMateINFINITY HP より…
写真のポータ・ボートは世界で災害救助ボート・
エベレスト登山隊・南極観測隊の研究のために
活躍しているそうです
 
image photo  特に害魚論∞釣り人公害≠フ矢面に立たされて辛い思いをするバス・フィッシング・ファンにとってこのような新しい活動は社会に対して大きくアピールできるのではないでしょうか。もし「俺たちはバスも釣るが人も助ける」というのであれば、今まで文句を言っていた連中も認めざるを得なくなってしまいます。
 しかし当然私の思いつきなのでまとめ上げて各行政機関と連携する非営利団体などありません。やはりこのような人命に関わる事はメーカーなどの協力と行政各機関との連携が必要になってきますが、相当骨の折れる仕事になることは確実です。
 まるで映画か漫画のような思いつきですが、もしこのような思いつきが実現したとなると、今までのバス・フィッシングに対するイメージは劇的に転換してしまうでしょう。果ては釣りそのものの評価も変わってしまうのではないでしょうか…賛同者が多いようだったら代表になって活動してみようかしら?
 
 
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