Column
#019:美人とサカナの 意外な関係

● 日本三大美人…美≠フ感覚は十人十色、なんですけどね
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 さて今回は私の大好物美人≠ノついてです。
 俗に『日本三大美人』といえば 京美人・博多美人・それに秋田美人と言われています。私の大好物≠ヘ東北美人で、「ならば秋田美人だね?」と浅はかな人は短絡的に言ってのけてくれます。が秋田美人と東北美人はちょっと違って、東北美人は津軽美人や山形美人などのいわゆるえみし顔≠ェベースになっていて秋田美人はちょっと違う…もっとも秋田美人も好きだから結局「そうそう」と答えて終わりなんですけどね。
 では秋田美人は他の美人とどう違うのか、というと…秋田美人はハッキリとした定義がありまして、
瓜実型と丸型の中間でやや面長、目は細く切れ長、口は小さく、鼻筋が通り、肌はキメ細かく白い肌を持つ
とされています。細く切れ長というのは戦後間もない頃まで美人の条件≠ニされてきた価値観ですが、通った鼻筋は縄文・アイヌ系の特徴・小さな口は弥生・渡来系の特徴、さらに瓜実方と丸型の中間というのは縄文弥生両方を掛け合わせた特徴となっているのが興味深い。ウラ漁師の小部屋%I見解をすれば縄文系と渡来系の純正ハイブリッド、となりますね。
 最近では秋田女性の肌の平均色素は日本の平均値より大きく下回るという科学データもありまして、これはツングース系やアイヌとの混血のためとか、冬場の日照時間が少ない影響などとも言われていますが、秋田美人のルーツは21世紀の現代でもです。
 
 おそらく江戸時代の大衆文化が開花した頃の粋≠フひとつとして言われ始めたと思われる三大美人ですが、京都に関して言えば美人の産地≠ニされる背景にはその長い歴史が大きく影響しているようです。
 鎌倉時代と江戸時代には政治は関東で執り行なわれていましたが、経済はといえば…大阪ですね。では京都は?というと皇室の本拠地であったわけですが、王様より下のレベルで言えばファッション≠フ中心地だったのです。平安時代より続くハイレベルなふぁしょんの最先端基地であり、今風に言えば渋谷や六本木、青山や麻布なんかをひとまとめにしたような超セレブなイカしたナウい街≠セったわけです。
 で、そこに住む町人クラスの人達は年がら年中超セレブ≠見て育っているわけですから当然目が肥える、目が越えるからファッションにはうるさくなる。結果洗練された都会的≠ネ女性が闊歩して京美人が生まれた、というわけ。それが凝縮されたのが京都名物舞妓≠ナして、京美人の定義を知るには舞妓ちゃんを見てちょうだい、となるのです。
 明治維新の首都移転と舞妓の後継者問題と比例して京美人も絶滅危惧種≠ノ認定されつつありますが、どうやらそれだけが問題点ではないようです。
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 話の展開の都合で博多美人について触れてみますと…
 京美人が絶滅危惧種だとする反面秋田美人と博多美人は21世紀の世の中でも健在です。が、どうした事かいくら調べても明確な博多美人の定義≠ニいうものが見つかりません。おそらく京美人に共通した定義ではあるのでしょうが、実のところとても曖昧です。おそらく昔からの評判に便乗して集客効果を狙ったキャッチ・コピー≠ニして多用してきた影響なのではないでしょうか。とはいえいまだに博多は美人が多い≠ニいう事実は曲げようがなく、読者の皆さんの中にも福岡出張≠ニいうだけで心踊る人がいるのではないでしょうか。男って、やぁねぇ〜(注:筆者も男)。
 と、三大美人について考えてみましたが、さらに三大美人から漏れたものの美人の産地≠追いかけていくとある共通点に気がつきます。北からざっと津軽美人・山形美人・新潟美人・富山美人・金沢美人・鳥取(隠岐)美人…と、これに加えて秋田・京都・博多ときて、何か気がつきません?みんな日本海に接しているんです。さらに名水の産地≠ニいう事実も見逃せません。
 冬になるとしっかり雪が積もってキレイな水が懇々と湧き上がる、身体の外から中からキレイな水を取り入れると美人が育つ、少なくとも白くきめ細かい肌になる、ということですね。以前女優の吉行和子さんが「女優の命は白い肌」と言ったとか言わなかったとか…少なくとも美人の絶対条件であるきめ細かい白い肌≠ヘ水が命、ということです。
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● ヤマメは渓流の宝石∞渓流の女王∞山女≠ニ称されます
image photo  釣りをしている人にとってキレイな水のサカナ、と言えばヤマメですよね。ご存知ヤマメはキレイな水でなければ生息できません。ついでに言えばヤマメは山女∞山女魚≠ニ書かれるように古来から女性に例えられてきました。それもただの女性ではなく渓流の宝石∞渓流の女王≠ニ言われるほどで、疑いようなく美人≠ニして捉えられています。
 キレイな水は女性ばかりでなく魚をもキレイにする、と言ったらハッキリ言って偶然の一致だけを誇張したこじつけですが、いろいろと考えていくとどうも単なる偶然の一致で済まされないような気がしてきます。
 というのもヤマメも京美人同様生息域を狭め、生息数は減少傾向にありますよね?ヤマメに関して言えば水がきれいでないと生息できないヤマメが減少傾向にあるという事は転じて日本の水はどんどん汚染されている≠ニいう事です。フライフィッシングでトラウトを狙っている人の中でも多くの人が「初春はミッジでしょ、常識だよ、ジョーシキ」と自慢げに喜んで講釈垂れている人がいますが、原則としてオドリバエやユスリカはある程度汚れた川でないと育つのに必要な栄養源が得られないため生息しません。それがかなりの上流部まで生息しているとなると…本当は深刻な問題なんです。
 
 ベテランぶって通ぶって偉そうに講釈垂れるフライマンはまだかわいいもので、トラウト以外の釣りをしている人達の環境危機感覚≠ノは呆れる事を通り越して背筋に冷たいものすら感じてしまいます。いちばん驚かされるのは
「だってサカナ、いるじゃん」
とモト冬樹の髪の毛より薄〜い根拠だけでだから大丈夫♪≠ニ言い切ってしまう能天気さには目眩すら覚えます。トラウト・ハンターの皆さんには「そんな奴いねえだろう?」と信じられないでしょうが、これ河川湖沼問わず多いんです。
 で、少々汚染されていても生息しているサカナといえば…バスやシーバスなんかは短期間に水質が悪化しなければ少々の汚染ではびくともしませんし、コイやフナに至っては水に酸素が少なくなっても元気に泳いでいます。そこで感じたのが、なんとなく街中を歩いているとドブに生息するコイみたいな女性が多いなぁ、と感じてしまうのです。もちろん深い意味はありませんよ。ただなんとなくです、なんとなく…しかし考えようによってはこのなんとなく≠ェなんとなくでなくなってくるから驚きです。
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●人間の身体の70%は水分です ってことは
 人間の身体の70%は生理食塩水、つまり塩水です。これは太古の昔原始海でアミノ酸を主体にして誕生した生命が長い時間をかけて進化して体内に生存していくのに必要な水分を備蓄できるようになってついに地上に上陸した名残で、地球上の生命の基礎となっています。つまりサカナも人間も、水がなければ生きていけないということです。常識ですね。ついでに言えば人命救急の応急処置で輸血の血液がない場合海水を血の代わりに補給する、という荒業もあるそうです(もちろん究極の応急措置で、医師の指示がない限りお勧めいたしません)。
 サカナと人間の大きな違いは、サカナは水の中に身体を入れているが人間は身体の中に水を蓄えているという点です。サカナだって水質が悪化したら死んでしまうが、上流に水質が良いところがあればそちらに逃げる事ができます。反面人間は体内に汚染された水分を備蓄していくので摂取する水源を改善したところで備蓄分が全て入れ替わるまで汚染され続けなければならないわけです。ちょっとぞっとする話でしょ?
 これは人間が汚染や毒素に対してヤマメ並みに敏感である事が大前提ですが、先ほども触れた通り驚くほど鈍感な人が多すぎる…これも水質汚染や含有毒素の影響なのでしょうか。
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image photo  そこに住むサカナを見れば水質の良し悪しが見えてくる…水質と美人は切っても切れない関係にある、となるとバスみたいな女∞ボラみたいな女≠ェ闊歩する渋谷新宿くんだりとナントカ美人≠フ関係が単なる思い込みの偶然と言い切れなくなってきます。で、忘れてならないのは女性がそうなら男性もまた然り、ということです。女性と男性が生物学的に犬と猫ほどの差があるならともかく同じヒューマノイド、ホモサピエンスなわけですから『俺は男だから』と他人事のような顔して呑気に構えていられません。
 もっと言えば川の水はやがて海に注がれる≠けで『俺は海専門だから関係ねーよ』と言ってもいられません。川が汚れれば海も確実に汚染されていく、外洋がどんなにきれいでも沿岸はこれでもか、と汚染されていくというわけです。『海専門だから』という人にしてみればとんだとばっちりで、人事ではないですね。
 そういえば2006年に山梨県・桂川に釣行にいった際おびただしいゴミに閉口しましたが、山梨美人・甲斐美人というのを聞いたことがありませんね。これは川=ゴミ捨て場≠ニ考えて水を汚している事が原因なのかもしれません…桂川流域の皆さん、ここらで美人を作るため≠ノ川をキレイにしてみません?


all photographs are reserved by URARYOUSHI