地形を読む…河川編
川全体を見て渓相を知る
 フィールドが決まったからと言って闇雲に入渓したところで釣れるわけではありません。サカナを釣るために色々な知識を詰め込んでも、そこにサカナがいない≠ニいくら頑張っても釣れるわけがありません。
 そこでまずは川の下見が必要になります。川の上流から下流まで広い範囲を見るべきポイント≠押さえながら見渡してみましょう。水の量は多いか少ないか、澄んでいるか濁っているか、サカナが隠れそうな石や岩があるか、周りの草木や森林の状態はどうか…サカナが居つきそうなポイントが多ければ多いほど渓相が良い≠ニなり、逆にサカナが居つく要素が少なければ少ないほど渓相が悪い$となります。当然入渓するなら渓相が良い$に入るのが基本です。

@浅瀬 波立つほど水深が浅く川底に中小の石が多い場所。
A淵 流れが緩やかで水深のある場所。プールと呼ぶことも多い。
B深瀬 適度な水深があり、川底に大小の石が沈んだ場所。
C支流 沢とも呼ばれ、本流に水を供給する。水温や雨上がり後の濁りの加減など本流とは異なる場合が多く、場合によってはこちらがメインになることもあります。
D伏流水 川原はあるが水がまるでない状態のいわゆる水無川=Bたいていは完全な枯れた川ではなく地中を細々と流れています。
E取水堰 里川に良く見られる田んぼに苗代(水のこと)を引くための施設。田植えのために苗代を引く時期になるとここから下流が一気に減水します。
 渓相の良し悪しは石と水≠ナ決まります。サカナは水がないと生きていけないのは当たり前ですね。水があっても極端に水量が少なかったりサカナを流してしまうほどの激流ではサカナが棲むことはできません。さらにどんなに水が良い塩梅でもサカナが居つくような石や岩がなければ話になりません。

 まず目的の川に着いたら橋の上など見晴らしの良いところから川の上流と下流を見渡してみましょう。最初に水量や濁りの有無などがすぐに確認できます。
 次に左図に示したようなサカナが居つきそうなポイント≠探します。この時変化が多く見つかれば見つかるほどそこは渓相が良い≠ニいうことができます。しかし残念ながらほとんど水がない水無川≠セったり底まで完全にコンクリート護岸された川だと明らかに渓相が悪い≠フでトラウトが住んでいる可能性はありません。
 渓相が良いからと急いで入渓したり渓相が悪いからとがっかりして引き返すのは早急です。川沿いの道を上流(場合によっては下流)に向かって広く川を観察してみましょう。ほんの何10m移動しただけで渓相がガラリと変わる事は良くあります。
 特に最初観察したところが水無川だった時などは上流で苗代を引き込んでいた影響である一部分だけが干上がっていただけ、ということも時折あります。またほんの一部だけ何らかの理由(過去に洪水があったなど)で完全護岸されていてその上下流では全くの手付かずだった…なんて言う事も良くある事なので油断はできません。

 また川を観察する際ハッチや周辺の木や森林にも注意して観察したいところです。特に森や林は山に水をストックする上で重要な要素なので渓相が良く森林もしっかりしていれば迷わず入渓したい所です。

 なお川を広く観察する際視力ばかりに頼ってはもったいない話です。
 これはあまり触れられな話ですが、トラウトがいるかどうか臭い≠ナある程度分かります。これはトラウトに限ったことではなくコイでもフナでもバスでもシーバスでも同様の事が言えます。夏の風物詩・アユなどはそこにいればスイカのような臭いがするのは有名な話です。
 人間を含め自然界に生きるものは全て何らかの臭いを発しているもので、それぞれ独特な臭いが存在します。慣れてくると大まかにコイの仲間やバスの仲間やトラウトの仲間と嗅ぎ分けることもできますが、トラウト特有の臭いを覚えておけば渓相を観察する事に加えて強い武器になります。
 当然トラウトの数が多ければ多いほどそこから発する臭いは強くなり、少なければ臭いは弱くなります。

 あまり時間をかけすぎても釣りをする時間が減るだけなのでほどほどで見切りをつける必要がありますが、できるだけ条件の良いところ、すなわち渓相の良いところ≠ノ入ることが確実に1尾を釣るコツです。
 次の項では実際に入渓したらどこにフライを送り込めばよいかについてお話します。
 
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