地形を読む…河川編
●川の水を知る
 バスフィッシングのように市街地から里までの広い範囲で釣りができる対象魚だと水質はとても重要な要素になります。基本的にバスは側線(体の側面に走っている点線上の線…人間で言う耳に当たる)に頼って捕食活動をしていますが、澄んだ水質に棲むバスは視力も頼りにするが濁った水質に棲むバスは視力は最終確認程度にしか用いないからです。
 管理釣り場を除いて澄んだ河川に棲むトラウトはバスのように水質が澄んでいるか濁っているかは問題になりません。とは言っても平常時は澄んでいる河川が雨の影響で濁ったとなれば話は別。釣法もポイントも変わってきます。トラウトはバスと違い捕食は視力に頼り側線はほとんど使っていません(側線は外的から身を守るためにフル活用している)。それだけに濁りは捕食の妨げになりかねません。
 しかし「濁ったら絶対にダメ」かと言えばそんな事はなく、釣れる濁り≠ニ釣れない濁り≠ェあります。これを知っているといないでは釣果が大きく変わってきます。
●ササ濁りは大釣りのサイン

ササ濁りの状態(カーソルを当てると平常時がご覧になれます)
 大雨の後川は一時的に抹茶色に濁り、日を追うごとに濁りは薄くなっていきます。写真のように岸沿いの浅場が確認できる程度の濁りが入った状態を青笹の葉と良く似た色である事から笹濁り(ここではササ濁り)≠ニ呼びます。
 ササ濁りの状態になるとサカナの警戒心は薄れ、大釣りが期待できるというのが淡水での釣りのセオリーです。トラウトの場合も平常時より流れがあるために水面がカーテン状になり外敵に発見されづらい、捕食には十分な視界を確保しつつ外敵からは確認しづらい理想的な濁りのために捕食が大胆になります。 それは同時に釣り人の歩く足音をかき消すだけの水量とトラウトが釣り人を発見しづらい濁りであることを意味しており、高まった活性と相まって大釣りができるのです。

 ただし濁っていればなんでも良いわけではなく、濁った色によっては釣りを諦めなければならない事態があることを知っておく必要があります。
 水域によっては大雨が降るとご覧のような泥濁り≠ノなってしまいます。こうなると釣り人のやる気指数は一気に下がってしまい、釣り以前に川に近づくことも危険な常態になってしまうこともあるので注意が必要です。
 本来上流部はこのような泥濁り≠ヘありえない話なのですが、残念ながらちょっとした雨でも泥濁りが発生する河川が増えているのが現状です。というのも森林の伐採・開発によってそれまで土砂が流れるのを食い止めていた木々がなくなり川に流れ込んでしまうのです。特に宅地開発などで切り開かれると土砂の流入は激しくなり、土砂が堆積するとカゲロウなどの水生昆虫の棲家が奪われてしまいます。泥底を好むユスリカが増えるということはそんな背景を示唆しているのです。
 上流で泥濁りが確認できるということは川が悲鳴を上げている≠ニ捉えても大げさではないでしょう。
●川にもある透明度の違い
 バスフィッシングだと透明度の高いクリアウォーター≠ニ透明度の低いマッディウォーター≠ニ分かりやすい。これは水分中の栄養素(汚染を含む)の違いによるのですが、わずかな違いですが、渓流でも透明度の違いがあります。
 写真のような透明度の高い川でも少しグリーンがかかっています。これはヤマメのいる川では良く見受けられる里川のクリアウォーター≠ナす。山間部の人里を流れる川では農業排水や生活廃水が流れ込むことがあるので、一見するとキレイな水質なのですが実は意外と汚れていたりします。とはいってもこの程度の汚染は自然浄化力によって浄化されます。
 自然浄化力に不可欠なものは植物と水生昆虫などの生き物達です。水生昆虫は水中の栄養素を主食に繁殖し、結果として水質浄化をしているのです。トラウトたちはこの水生昆虫を捕食して繁殖するわけですから、この水質の川は生き物の多い豊かな川といえるでしょう。
 渓流でも最上流部、いわゆる源流部にまで行くとさらに水質はクリアになります。これは水源が近いから透明度が限りなく高いうえ途中で汚染する要素もなく当たり前な話です。深場などは太陽光線の加減でコバルト・ブルーに見えたり漆黒にに見えたりしますが、これは水に含まれるミネラルや鉄分などの影響で川によって見え方が違ってくるのです。
 見た目に美しくまさに大自然の神秘を感じますが、透明度が高いとは昔から「水清ければサカナ棲まず」という言葉通り不純物をほとんど含んでいない≠ニいうことなので水生昆虫のエサとなる栄養素はほとんどありません。

 川には里川のクリアウォーター≠ニ現流域のクリアウォーター≠ニに分かれますが、バスフィッシングと違ってトラウトフィッシングではたいして問題にはなりません。知識のひとつとして頭に留める程度で良いでしょう。
 渓流でのフライフィッシングではこの程度の知識があれば良いでしょう。あとは自分の目と耳と鼻で観察して渓流釣りの知識を深めてください。
 湖の知識については渓流より単純ですが、やはり最低限見るべきところはあります。次の項では湖のトラウトフィッシングで必要な最低限の知識についてお話します。
 
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